私たちが無意識を作るプロセスには「主に3つの脳の部位」が関わりを持っています。NLPE英語コーチングスクールは、これらの脳の部位を「思考する脳(Thinking Brain)」「行動する脳(Doing Brain)」「Being Brain(在り方を作る脳)」と呼んでいます。これらの脳の部位はそれぞれ異なった神経細胞を持ち、異なった化学物質を生成しています。
思考する脳(Thinking Brain)は「大脳新皮質(Neocortex)」のことを指しています。この大脳新皮質は何かに集中しているとき、英語情報を分析するとき、英文法の情報を学んでいるとき、自転車の乗り方を学んでいるときに使われます。つまり、情報集めに使われるのが、この大脳新皮質だということです。情報を集めたあと、私たちの脳は集めた情報を十分に理解し、行動に移していけるように神経細胞を結びつける作業に取り組みます(神経の可塑性)。このときに使われるのが「行動する脳(Doing Brain)、「 Limbic Brain(大脳辺縁系)」です。大脳新皮質で得た情報を、身体に覚えさせるために大脳辺縁系が使われます。
例えば、私たちは、自転車の乗り方を「大脳新皮質」で学んだ後、それらの知識を行動に移すために「大脳辺縁系」に脳の働きをシフトします。この大脳辺縁系は「感情脳」とも言われ、私たちが強い感情を感じると、知識として得た情報を比較的容易に身体に記憶させると言われています。何度も自転車の乗り方という知識を行動に移してリピートする、もしくは強い感情を感じると、身体はそれらの情報を無意識レベルで処理できるように記憶するということです。このとき、大脳新皮質と大脳辺縁系のコミュニケーションが円滑に行えるようになります。つまり、考えたことを瞬時に行動に移せるようになる状態になります。このプロセスまで作業が進んだとき、「無意識の領域」に情報がプログラミングされたということが言えるでしょう。
その後、私たちは「在り方を作る脳(Being Brain)」、「小脳(cerebellum)」を機能させ、大脳新皮質から大脳辺縁系に流した情報を知恵にする作業に移ります。「無意識=自動操縦機」と呼ばれますが、つまり、考えるプロセスを介さなくても、身体が自然と動き出してしまう状態です。考え事をしながら自転車に乗ることができるのも、小脳が知恵として自転車の乗り方を完全記憶したからだと言えます。同時に、「英語習得に成功する人格」、「英語習得に失敗する人格」を生み出しているのも、この部位です。
NLPE英語コーチングスクールは「信念を変えること」に特に力を入れているスクールです。信念とは、「私たちが信じて疑わない思考のこと」を指しており、大きく分けて「3つの種類」があります。
①X=Y
(男性=浮気者、女性=頭が悪い、英語習得=時間がかかる 等)
②XだからY
(日本人だから英語力が低い、時間がないから英語力が伸びない 等)
③アイデンティティー
(私は英語が苦手な人だ、私は能力を手にする価値がない 等)
これらの信念は、はじめの段階では意識に浮上することは比較的少なく、大抵の場合は無意識下に潜んでいます。では、これらの信念はどのような過程・プロセスで作り上げられたのか、一つひとつ見ていきましょう。
私たちは6歳までに、生命を長く保つために生きる情報を集め、人格形成を行ないます。6歳前後の幼児は、主にθ(シータ)波を脳内で出現させ、分析ができない状態、催眠状態で生きています。その結果、親や親戚、先生などの環境から言われる言葉や定義される情報を信じ込みます。例えば、「あなたは勉強ができません」「あなたはいつも宿題を後回しにする」「あなたは緊張しやすい人間です」「おねちゃんなんだからしっかりしなさい」などの情報を疑うことなく自分と同一化させ、「人格」にしてしまいます。そのほかにも「外国人の先生がこわい」という体験をした人は、幼少期に「外国人はこわい」という信念を自分の人格の一部にして生きてしまいます。結果、大人になったときに変え方を知らないと、一生涯、その信念を使って生きていくことになってしまい、世界や自分の認識を幼少期から変えることができないという状態に陥ってしまいます。
大人になってから私たちが作る信念は大抵の場合、一つの考え方を信じ込み、リピートすることで形成されます。そして、その考え方と自分を同一化させることで維持されています。例えば、犬恐怖症の人は大抵の場合、一度か二度、犬に噛まれるという体験をしています。その後、私たちの大脳辺縁系(主に扁桃体)が反応し、「この犬に噛まれた映像が生きる上で重要なため、記憶しましょう」と、側頭葉に情報を投げ、長期記憶化させるように働きかけます。結果、犬が目の前に通るだけで、私たちはその体験を脳内でフラッシュバックさせ、「イメージの中」で何度も噛まれたときの映像を体験します。
結果、脳はイメージと現実の区別がつかないため、犬を見る度に「まるで本当に噛まれているかのような反応」を起こしてしまうということなのです。つまり、真実としては「一回しか噛まれていない」のにも関わらず、何度も同じ体験を脳内でリピートすることで、「犬は噛む生き物だ」という誤った考え方を持ち始めるのです。そして、感情的な出来事を体験したとき、私たちは「噛んだ犬は一匹だけで、他の犬は噛んでこない」などのような論理的思考はせず、「全ての犬が私を噛む」と一般化した信念を無意識にプログラミングします。これは、英語学習でも同じです。一度か二度、外国人の前で萎縮してしまった、もしくは頑張って学習したが失敗をした、そのとき、私たちは考え方を一般化させ、「私は毎回、失敗する人だ」「私は英語が苦手だ」と誤った信念を持ってしまうのです。
私たちが日常生活の中で使う95%以上の思考はこの信念から生まれており、過去にできたフィルターを通して世界を認識しています。
しかし、これらの信念のほとんどが勘違いで作られているため、私たちは間違った思考を使って世界を認識し、自分を認識していることがほとんどです。つまり、「私は英語習得が苦手だ」などの信念を持っている方にコーチングを行うと、間違った考え方を信じてしまっただけであり、真実ではない信念を持って英語学習をしているパターンがほとんどです。
NLPE英語コーチングスクールは、このように英語習得の成功の妨げとなっている「表層的な信念(Fruit Belief)」、「深層レベルにある信念(Stem Belief)を専門的なコーチング技術や呼吸法、NLPで解決します。
私たちが英語習得に成功する上で理想とする「精神状態」はどのようなものでしょうか。
戦前から「スパルタ教育」「スパルタで自分を追い込む」という言葉が日本に蔓延り、この思想が英語学習にも影響を与えて しまっているのが現状です。
本来、「スパルタ」とは古代ギリシャでアテネと対立していた国家のことを指しています。このスパルタと呼ばれる国家では、強い兵士を作るために厳しい教育を幼少期から受けさせ、身体に 問題を抱えている幼児たちは山に捨てられたといいます。
このような思想を日本も輸入し、今現在、教育に取り入れています。「自分を追い込む」という行為は一見、効率が良いものに思えますが、実のところ、脳や心臓、 身体にとっては「サバイバルモード(緊急状態)」になっていることが分かっています。
別の言い方では「ストレス状態」「ファイトオアフライト(闘争逃走状態)」と呼ばれています。「学習したくないのに学習しなければならない状態」を作り出してしまうと、ストレスホルモン、コルチゾールは向上し、身体全体のバランスが崩れてしまいます。脳波はハイβ波に変わり、論理的思考能力を失います。
血液は筋肉に集まり、心臓の鼓動は早くなります。視野は狭くなり、より一層過去の人格に立たせてしまうことになってしまうのです。
結果、どれだけ追い込んでも身体は学習することよりも、ストレスを与える環境から自分を守ることだけを考えるため、長期的な英語学習ができない、もしくは、できたとしてもリバウンドのような形ですぐに継続できない方向に力が働いてしまうでしょう。
参考文献:児童の心理的ストレスと学習意欲との関連 THE RELATIONSHIP BETWEEN PSYCHOLOGICAL STRESS AND THE LEARNING MOTIVATION IN ELEMENTARY SCHOOL CHILDREN
本来、英語学習を行う上で私たちがフォーカスするべきことは、まず日本人が英語習得に成功しない根本的原因を探ることです。
決して、「英語習得に成功した人が語る結果論」に惑わされ、「習得に成功した人たちのように学習量を多く増やせば英語習得に成功できる」と考えないことが重要です。
本来、着目するべき場所は「どのようにして学習量を増やすことができたのか」「何を信じて学習をしていたのか」などの過程を重要視することです。
世界で行われる最先端教育では、「私たち人間がどのような時にモチベーションを向上させるのか」「自立して生きる力を養うことができるのか」などの研究を進めた上で、能力開発するための過程を作り出しています。
私たちは結果にこだわりを持つことで、少しでもうまくいかないと諦めてしまう、自分というアイデンティティーに問題があるとしてしまいます。
しかし、本来はアイデンティティーに問題があるのではなく、その過程(行動、考え方、取り組み方)に問題があるはずなのです。
このように最先端研究に沿った形で英語学習をすることで、英語習得に成功した人々が無意識レベルで作り出していた、「結果が出るまでのプロセス」を再現することができるようになります。